手づかみ食べを始めようとした時に、こういった疑問はありませんか。
「手づかみ食べはどのように始めたらいいかな?」
「赤ちゃんが窒息してしまったらどうしよう?」
「どんな食べ物がいいだろう?」
手づかみ食べができるようになると、赤ちゃんが成長していると実感でき、ワクワクしますよね。
とはいえ、あちこち汚したり、遊びながら食べたりするので、親がイライラしてしまう経験でもあるかもしれません。
今回は、こういった疑問を解決するため、手づかみ食べに関することだけをまとめました。
それでは、いきましょう。
手づかみ食べはいつから始める?
いつ手づかみ食べを始めるかは、親と赤ちゃん、そして選んだ離乳食の方法によって異なります。
- WHOとユニセフは、「栄養的に十分で安全な補完食(固形食)を6か月で導入すること」を推奨しています。(Infant and yound child feeding)
- 従来の離乳食を取り入れている場合、通常8か月〜9か月頃に手づかみ食べを導入しています。
もちろん、赤ちゃんも親も一人一人違うので、手づかみ食べを始めるのにこの時期からという適切な時期はありません。
ただ、以下のことは頭の片隅にでも入れておいてください。
- 6か月が過ぎたら、首が座り、支えなしに座れるようになるはず。
- 手づかみ食べはあまり長く待ち過ぎないようにしましょう。ある研究によると、9か月以降に固形の食べものを与えられた赤ちゃんは、6~9ヵ月に同様のものを与えられた赤ちゃんと比べて、7歳の時点で多くの食品をあまり食べていないことがわかりました。
- 歯があってもなくても、手づかみ食べができるかの目安にはなりません。一度歯のない赤ちゃんに噛まれてみてください笑 赤ちゃんの歯茎の強さにはびっくりしますよ。
フィンガーフードを取り入れる3つの方法
手づかみで食べられる大きさの食べ物のことを、ここではフィンガーフードと表現しています。
1. BLW(Baby-Led Weaning)
BLW(赤ちゃん主導の離乳食)とは、従来のピューレを使わず、赤ちゃんが扱いやすい大きさや形に調理したものを与えるスタイルのことです。
赤ちゃんは食事の時に家族と一緒に座り、スプーンで食べさせるのではなく、自分で食べ物を選んで食べます。
2. 従来の離乳食
従来の離乳食は、スプーンからピューレを与えて離乳食をスタートし、徐々に食感を良くしてフィンガーフードを導入していく方法です。
3. 両方取り入れたアプローチ
BLWと従来の離乳方法を両方取り入れたアプローチも可能です。我が家ではそうしています。
離乳食に「正しい、間違っている」という見方は必要ありません。どの方法を選んでも、たくさんの利点があります。初めての離乳食を成功させるために、ご自分の決断に自信を持ってください。
それぞれの方法のメリット・デメリットはこちらで詳しく解説しています。
- 腰、足がしっかり支えられるハイチェアなどで、離乳食を始めてください。
フットレストがあり、腰と膝ができるだけ90度に近い位置にあることを確認します。 - まずは、1回に1~3種類の食品から始めましょう。お皿に大量に乗せないようにしましょう。
- 一度にすべての食べ物を置くのではなく、ハイチェアのトレイやテーブルの上に直接食べ物を置いてもかまいません。
- 赤ちゃんの合図を確認しましょう。食べ続けたいかどうかは、赤ちゃんの判断に任せ、赤ちゃんが空腹感や満腹感を感じ、それを表現できるようにすることは、その後の人生において良い食習慣を身につけることにつながります。
月齢に沿った食べ物を与えよう
赤ちゃんが手に取りやすく、口に入れやすい安全な食べ物を提供することは、赤ちゃんの年齢によって異なります。
6か月〜8か月頃の場合 :
手全体を使って食べ物を手に取り、手を閉じて食べ物を掴みます。こぶしを開いて食べ物を取ることができないので、手のひらより大きいものがよいでしょう。この年齢では、5cm程度の長尺のものが最適です。小さいとイライラすることがあります。
8か月〜9か月頃の場合 :
より小さな食べ物を手に取ることができるようになります。この月齢では通常、挟み込みが発達し、親指と人差し指を使って食事をするようになります。
フィンガーフードはどのように準備すればいいでしょうか?
食感も重要で、柔らかすぎると扱ったときにドロドロになります。また、硬すぎるとかじることができず、窒息の危険性があります。皮付きにしたり、なみなみカッターで食感を出すと、握りやすくなります。
スパイスやハーブは、風味を加える素晴らしい方法なので、小さいうちからいろいろな味に慣れさせるのがよいでしょう。
ロースト、蒸す、ソテー、茹でるなど、さまざまな調理法を試してみてください。
- ロースト
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直火もしくはオーブンを使って焼くことを「ロースト」と言い、表面をしっかり焼き、時間をかけてじっくり加熱していく調理法です。
- ソテー
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油を使い、焼いたり炒めたりしながら調理することを「ソテー」と言います。
どのくらい食べさせたらいい?
お子さんが十分に食べているかどうか、心配になる親は多いのではないでしょうか。ピューレの場合、何が食べられたかを確認するのは簡単ですが、フィンガーフードの場合、床や椅子の上に食べかすが落ちるので、それをいちいち見つけてどのくらいか食べたかを把握するのは少し難しいです。
赤ちゃんが食べたい量を決めてあげましょう。赤ちゃんは自然に自分で食事量を管理し、満腹になったら食べるのをやめるようになります。自分のペースで食べさせるようにしましょう。
フィンガーフードをバランスよく与えることで、赤ちゃんが栄養価の高い食品を適量食べることができるようになります。
フィンガーフードを取り入れる上での注意点
- 食事は必ず座った姿勢で行い、寝ながら食べないようにしましょう。また、赤ちゃんが動き回る場合は、走りながら食べることがないように注意しましょう。
- 親以外が赤ちゃんに食べ物を口に入れさせないようにしましょう。幼い兄弟が弟や妹に食べさせようとしている場合は要注意です。
- 赤ちゃんが一人で食べ物に触れないように、常に見守ってください。
- 窒息の危険がある食べ物は与えないでください。
むせると窒息するの違い
フィンガーフードを始めるにあたって、親御さんが心配されることのひとつに「窒息」があります。確かに、小さなお子さんが食べ物にむせたりすると、怖いかもしれません。でも、むせるのと窒息するのは違います。
私たちにとって、赤ちゃんが窒息することへの恐怖を和らげる最善の方法は、心構えと冷静さを保つこと。
むせる
むせるのは、食べ物から気道を守るために内蔵された防御反応です。幸い、練習を続け、さまざまな食感の食べ物に触れることで、赤ちゃんはさまざまな食べ物に対処する方法を学ぶことができ、この嘔吐反射は時間とともに軽減されるはずです。
むせた時のサイン
・舌を前に突き出す
・顔が赤くなる
・咳き込む
赤ちゃんは通常、早く元の状態に戻り、食べ物が口の中で前に出てくるのがわかるかもしれません。この間は、よく観察して、赤ちゃんが自分で解決できるようにしてあげてください。
窒息する
窒息はあまり一般的ではありませんが、食べ物の一部が赤ちゃんののどに詰まることです。 赤ちゃんの呼吸を妨げるので、迅速な処置が必要です。
窒息時のサイン
・静かである、または無口である
・顔が青くなり始める
・泣けない・咳が出る
食べ物が取り除かれないと、赤ちゃんが無反応になったり、意識を失ったりすることがあります。応急処置をして、食べものを取り除くようにしましょう。
赤ちゃんの安全を守るには
- 安全な食事の提供 :
赤ちゃんは常に直立した姿勢で座って食事をしてください。食事中に赤ちゃんが眠くなった場合は、食べ物を取り除いてください。 - 常に見守る :
赤ちゃんが食事をしているときは常に隣に座り、見守ることに集中しましょう。洗い物や片付け等は後で行いましょう。 - 食事を正しく準備する
- 温度を確かめる
- 窒息の危険性が高い食品を避ける :
適切に調理しないと窒息の危険性がある食品もあります。(次の項目で説明します。) - 救命講習を受講する
避けるべき食べ物
- ハチミツ
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12ヶ月までは避けた方がよいでしょう。ボツリヌス中毒を引き起こす可能性があります。
- 塩分
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1歳未満の赤ちゃんは、1日に1gの塩分(ナトリウム0.4g)を摂取しないようにしてください。食品に塩を加えることは絶対にしないでください。
- 砂糖
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栄養のないカロリーを与え、また歯を傷めます。
- 牛乳
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1歳までは与えない。
- 未殺菌の乳製品
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リステリア菌の危険性があるため、提供しないでください。
- ナッツ類
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赤ちゃんの気管に詰まることがあります。
- 丸い果物
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ブドウやプチトマトは、縦半分に切るか、四つ割りにしてください。
- 魚類
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メカジキやサバなど水銀の多い魚は避けましょう。
- 肉類
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歯ごたえを取り除くように注意する。
- 加工食品
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ナトリウムを多く含み、糖分が多い場合があります。
- 粘着性のある食べ物
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グミキャンディーやゼリーなどは、赤ちゃんののどに詰まる可能性があるので避けましょう。ナッツバターは赤ちゃんが飲み込みにくいので注意しましょう。スプーンですくって与えるのではなく、必ずパンなどに薄く塗って与えましょう。
- 硬い食べ物
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生のにんじんやりんごなど、硬い食べ物は避けてください。調理してやわらかくしましょう。
初めてのフィンガーフード
ここで取り上げる10種類の食品は、栄養価が高く、簡単に作ることができ、赤ちゃんにとっておいしい最初の食事となります。このリストは、私たちの赤ちゃんが好きだったものをベースにしています。
赤ちゃんにさまざまな栄養素を与えるには、バラエティ豊かな食事を提供することが一番です。
また、いろいろな味や食感を体験させることも大切です。
食材は必ず、赤ちゃんが食べやすい大きさに切り分け、赤ちゃんと一緒に経験を積んでおきましょう。
- アボカド:縦にスライスまたは小さなかたまり
- バナナ:皮をむいて長い短冊状にする。
- サツマイモ:10~12分蒸すか、焼く。
- サーモン:220℃のオーブンで10~12分焼き、皮を剥いて切り分ける。または、ふらいぱんで焼く。
- ブロッコリー:8~10分ほど蒸すか、焼く。
- 肉:3~5cmの短冊切り、千切り、ひき肉、細かく刻む。
- 卵:固ゆでにしたものを乱切りにしたもの。オムレツ。
- ヨーグルト:スプーンで食べさせるか、手づかみで食べさせます。
- オーツ麦:小さく丸く焼いて冷まし、その丸いパテを赤ちゃんに食べさせます。
- インゲン豆:8~10分ほど蒸すか、焼く。
ちなみに熟したアボカドの見分け方は、触ってみて柔らかくヘタをとって中が緑だったらベスト!